道しるべの先に
帰りに冒険心を道を指すまま足を進めれば、
フェンスに囲まれたグラウンドらしき所へ近づき見ていれば、
ナンパをされました。
「センスあるじゃん」
白と黒のカラーが付いたボールを足で遊びながらの言葉に、
「自分でもビックリしたよ」
肩で息をしながら答えれば、
「初心者じゃねぇよな。アレは」
隣から感心した声が聞こえた。
「言われた通りにしただけだもん。
教え方が良かったんだよ」
褒められた事に嬉しくなるが、相手の事を褒めれば、
「当たり前。
この僕が教えてるのに、そんなんじゃ困るよ」
バッサリと切り捨てられ、カラ笑いが出た。
「いや、でもホンマに自分上手いで」
関西の言葉に
「そうかなぁ?」
首を傾げれば、
「フットサルも合ってるが、サッカーもやったらどうだ?」
「サッカーかぁ・・面白そうだよね」
頷けば
「当たり前だろ。
ヤル気あるなら女子チーム紹介してやるよ」
じゃ・・まずは見学を・・・
約束を取り付け、暗くなった中1人で帰った。
サッカーか・・・
夕食を済ませ、居風呂にも入り、さて寝ようとベットに入ったが、
夕方にやったフットサルが忘れられなかった。
見学の約束も付けたし、その時に決めれば良いか。
考えている内に眠気が意識を支配し始め、
気が付けば朝になっていた。
パジャマで顔を洗い、歯磨きを済ませ
制服に着替え終わりキッチンに入れば、
ゴハンに塩ジャケにもやしと豆腐の味噌汁
「いただきます!」
パンと手を鳴らし、箸を動かした。
美味しいなぁ〜
休めることなく箸を動かし食べ終え、食器をキッチンへと持って行き、
テレビを付けて情報収集。
良し!行くか。
テレビに切りを付けて、カバンを手に持ち
「行ってきます!」
バス停まで歩き、そこからはバスで通学をする。
今までより1本早いバスに乗った為、学生も社会人もそんなには乗っておらず
席に座る事ができた。
良し、座れた。
なんでもない事でも、良い1日となるピースになる。
良い事がありそう。
そんな予感に笑みが零れた。
ダレも居ない学校は静寂で、いつもと違った場所にさえ思えた。
自分の歩く音が廊下に広がり、面白くなりワザとパタパタと音を立てて走り
職員室へと向かう。
カギを受け取り、一礼して職員室を出れば、外から声が聞こえだす。
朝錬かな?
横にある窓から外を見るが校舎しか見えず、
興味が無くなり教室へと向かった。
カチャ
カギの音が教室中に響き自分の机に向かう。
カバンから教科書とノートを取り出しを横に掛け、
借りたノートを書き写す。
時計の音とシャーペンが文字を書いていく音しか聞こえなかった教室に、
人の気配が増え、話し声が聞こえてくる。
学校が活気を出す頃、
なんとか終わった。
安堵し、隣の席の友達が来るのを待つ。
「おはよう」
笑顔で挨拶をすれば、同じ笑顔で挨拶が返る。
「今日の英語の宿題やってきた?」
1人。
また1人。
友達が集まり、話しが盛り上がる。
朝の予鈴が鳴り、担任に挨拶をし朝礼が始まる。
交代の様に教室に入ってきた教科の先生への挨拶で1限目が始める。
眠気を誘う先生の声を聞き、ノートを取り、
終わりのチャイムが鳴れば、会話がスタート。
流行のドラマ、芸能人、ファッション、家族
他愛なの事を話し、笑い合い時には納得し合う。
楽しくて仕方の無い時間の中
「センパイ」
教室中に響いた声は自分を呼び、
首を動かせば、ドアの所に越前が立っていた。
なんだろう?
不思議に思うも、友達に断りを入れ越前に近づけば、
「センパイ、英語の辞書持ってる?」
思いもしない言葉に、
ココ、学校だったっけ・・・・
自分が学生なのだと実感し納得し
「うん。1時間目に使ったから持ってるよ」
忘れたの?
子供に問いかける様に、優しく、柔らかく言葉を作れば
「スっ」
素直に頷く姿に、
頭なぜくり回してやりたいんですけどぉ!
もう、ぎゅっとして、グリグリしたい!!
暴走しかける欲望を握りこぶしを作る事で、外へと出て行くことを防ぎ
「待ってて、持って来る」
ニヤける顔を笑みで誤魔化し、早足で席に戻り机の中から
辞書を取り出し、越前の下へ駆け寄れば
「はい、どうぞ」
腕を伸ばし差し出せば、辞書に手をかけた瞬間引っ張られ
「狙われてるから気を付けた方がいいよ」
耳元で囁かれ、驚き、慌て耳を塞げば、
イタズラが成功した幼子の様に笑い、
「弱点みーっけ」
聞こえてきた言葉に冷静さを取り戻すも、
背を向け、から離れてしまったリョーマに言い訳も出来ず
「なんなの・・いったい・・・」
独り言を零すしかなかった。
言葉に出来ない気持ちがぐるぐる混ざり、
手足が動かす事が出来ずに入れば、
「さん?」
クラスメートに呼びかけられ、
視線を上げれば
「どうしたの?」
不思議そうな表情に
「なんでもないよ」
愛想笑いで返し、席へと着けば
タイミング良くチャイムが鳴り授業の始まった。
なんだったの・・アレ?
自分の中で繰り返し蘇る記憶。
越前の行動
なんで、あんな事を?
からかって面白がっている。
とか?
考え付く答えに、
そうかも。
納得できてしまうのは、
去り際に見た笑った表情。
子供らしかったなぁ〜
イタズラが成功した嬉しさと期待した分の喜び
2つの感情が混ざり、表情に出した笑みは子供らしく
年齢より幼く見えたのだ。
本当に・・
ほんとーに・・
可愛かった!
ありがとう私の記憶力
何度でも・・いや、
永遠に覚えておきたいな。
そんな正直な煩悩と妄想で授業時間を使い切った。
そして休み時間、
「すいません。まだ決心が着かないんです」
うんざりするぐらい、何度も頭を下げ続けた。
原因は解っている。
体力測定の結果
結果を出すたび虚しさが広がるだけの結果が、
とんでもない事を起こしていた。
「 さん、見えるかしら?」
出入り口から見知らぬ上級生に呼ばれ、
友達の哀れむ視線を受けながら、席から立ち
「私ですが」
遠慮がちに返事を返し、呼び出した本人に近づけは
自己紹介の後に部活の勧誘が始まった。
真剣な表情に言葉
真面目な思いを感じるも、どのスポーツの名前も心に響く事は無く
同じ言葉で断りを入れるだけだった。
思い出すのは、フットサルをした時の高揚感
初めて面白いと感じた気持ちは、どの部活をする気にもなれず
溜め息を落とすだけになってしまった。
出来れば、入りたくない
でも、校則で決まっている事はそむく事を許さず
「解ったわ。
決心か着いたらいつでも来て頂戴」
歓迎するから。
その言葉を残し帰って行く上級生に罪悪感を感じてしまう。
どうしよう・・・
フットサルをやるなら運動部は無理だよね・・
と、なると文化部?
何があったけ・・・
文芸は妄想は出来るけど文才力が無いから無理でしょ
演劇は台詞が覚えられないし、人前に出るのなんて絶対無理!
合奏・美術・吹奏楽・美術・軽音は楽譜読めないし・・・
茶道・華道はジッとしてられないから無理だろうし・・・
となると、放送・新聞・科学・写真
科学かぁ・・・ちょっと気になるな・・・・・
新聞は体力と時間勝負だからダメだね。
放送か写真か・・・
見学に行ってみようかな・・
放課後のチャイムと共に帰り支度をしたし、
友達を部活へと見送った後、
「すみません・・見学をしたいのですが」
2度目になる教室ドアを開け、
2度目の同じ言葉を言えば、中にいた人達の驚き顔が見え
まぁ、2回も見学に来る人なんて居ないだろうし、
驚かれても仕方ないか。
小さな溜め息を付くが、ソレを無かったように微笑み
戸惑いながら、部活動の説明をしてくれる言葉に耳を傾けた。
1つ、1言を聞き漏らさない様に聞き、
心で出来る出来ないを出していく。
「ありがとうございました」
1礼をして、次の教室へ
何度も繰り返せば、空は紺色へと変わり出す時間になり、
「新聞部を甘く見すぎていた・・・・」
覇気の無い言葉は疲れの色を濃く出し、
身体は重りを乗せられた様に鈍く、
精神は安らぎを求めていた。
「写真部までタックを組むとは・・・」
塞き止める事が出来ず、出てしまった言葉に
体の奥底から溜め息を吐き出した。
当たり前
と、言えば当たり前の事なのだが
所詮、部活動と軽く考えていた事に後悔した。
本格的、取材され、写真まで取られた。
真剣な表情で質問され、
突然呼ばれた写真部の子達のフラッシュに目が眩み、
逃げ場の無い雰囲気に飲まれ、
帰り際に
「来月の校内新聞に載せますね」
光り輝く笑顔に断る事が出来ず、頷くしか出来なかった。
溜め息と共に後悔が出てくる。
良いカモにされたって事か・・・?
それとも
飛んで火にいる夏の虫かな?
なんにせよ、写真部要注意だ!
生きていく為の注意事項に咥え、
フラフラと歩き、校門からバス停へと着き、
カバンの中から取り出した小説を読みバスを待つ。
文字から作られていく世界に入り、
主人公達と世界を歩いて行く。
夢中になり、本の世界と気持ちがシンクロしていくが
背中に視線を感じ、慌て振り向いた。
なに?
視線を強め、見える範囲で感じた視線の先を探すが
ドコを見ても、誰も見えず、更に気配を感じようとするが
「乗らないのかい?」
に向かってかけられた言葉に
振りむけば、バスが止まっており、
「の・・乗ります!」
慌て、駆け込み
ホッと息を吐くも、窓から見える外を眺めれば
男子生徒が帰っていく姿が見えた。
こんな遅くまで・・ご苦労様
疲れた表情の生徒達に心の中で労わりの言葉を呟き
ゆっくりと動き出すバスの横を走るモノに視線が付いて行き
不思議そうに眺めていれば、
桃城の手を振る姿が眼に入り釣られ振り替えせば、
後ろに乗っている越前に軽く会釈され、同じ様に返した。
テニス部・・今、終わったんだ・・・
本当に遅くまで頑張っているなぁ・・
そんな気持ちと
二人乗りで帰るんだ。
なんか、兄弟みたい。
2つの気持ちが無意識に表情が笑みになり、
疲れていた心と体が癒されていくのを感じ、
バスから降りた後は早足で家へと帰っていった。